“国家の危機に際して、皇室を中心に一致団結して立ち上がるという伝統は、中世、古代も変わりませんでした。元寇と白村江の戦いという二大対外戦争を通じて、この点を見てみましょう。
663年に起こった白村江の戦いでの敗因は、諸豪族の統制がとれないまま戦ったことでした。しかし、敗北の後は皇室の下に一致結束して、国内体制の刷新に成功しました。
敗戦の後は防備を強化し、さらに天智天皇、天武天皇の時代に律令制に基づく統一国家を築きました。このように敗戦を契機に日本は大きな飛躍を成し遂げましたが、その中核となったのは皇室の祈りでした。
また、元寇のときに鎌倉幕府の背後にいたのは、亀山上皇でした。我が身はどうなっても良いから、日本を滅ぼしてはならない。そうした必死のお祈りが、諸国の武士を結束させたのです。”
第3講では、古代から中世における国難と皇室の祈りについて、解き明かしていきます。
1.元寇...日本を守った鎌倉武士の結束
・「元寇と明治の皇室」近代国家も手本に...600年後も感謝された鎌倉武士の奮闘
・「最強モンゴル軍 vs 鎌倉幕府」神風だけではない? 教科書が教えない日本の勝因
・「武士道の源流」子孫のためには命を惜しまない...徹底抗戦を挑んだ武家政権の覚悟
2.白村江の戦い...古代から続く「和」の外交
・「古代の東アジア三国同盟」武力を使わずに安寧を実現した聖徳太子の外交戦略
・「1400年前から続く外交作法」二枚舌の新羅、義を守る日本:白村江に出兵した本当の理由
・「日中で決定的に異なる君主論」日本では争いが起きにくい? 平和を育む皇国思想の正体
3.現代日本...受け継がれる皇室の伝統
・「日本国民でよかった」大地震の被災者たちが口を揃えた皇室のソフトパワー
・「なぜ元号は必要なのか?」国の願いを反映した伝統文化:天皇ごとに改元する理由
・「伝統を受け継ぐ今上天皇」高校時代からの知られざる努力...126代の皇室が紡ぐ日本のこころ