三方良し経営は、日本の「和の国」らしい強みを活かせます。
日本の自動車産業は、現在でも世界トップシェアを誇っていますが、数百の企業がそれぞれの力を合わせ、数万点の部品を組み上げています。多くの企業が協力しあって一つの製品を作ることが大事なんですね。ここに必要なのは「企業どうしの和」です。企業間での摺り合わせをさせると、日本の右に出る国はないと思っています。
さらに、日本人は素材の性質とよく向き合って、その力を引き出す力があります。これは「自然との和」を大切にするという文化からきています。
例えば、金を髪の毛の1/8の細さまで引き延ばして、超小型モーターを作る企業を筆頭に、超精密部品の分野で世界のトップシェアを握る中小企業が日本には約1000社もあります。素材の性質を活かすという点では、食材の美味しさを引き出した日本食が世界でも人気なのも、「自然との和」という強みを活かしているからでしょう。
第3講では、日本が「和の国」らしさを発揮して、世界の中でもユニークな“処を得て”、幸福な国家と国民の暮らしを実現する。そのために必要な企業繁栄の道を考えていきたいと思っています。
1.日本企業の強み..."和"と"求道精神"
・「マリーアントワネットも愛した漆工芸」ダイヤよりも貴重?...海外王室が伝統工芸を愛した理由
・「自然を使って伝統技術を進化」乾燥・湿度の研究で発見...先代より高みを目指す創意工夫の精神
2.未来を開く伝統技術...小さな世界一企業
・「世界トップ企業:3つの共通点」大企業より中小企業の方が有利?...技術革新を妨げる現代社会の盲点
・「顧客第一主義が職人を育てる?」たった400人で国内外へ展開...海外企業では真似できないミリ単位の伝統技術
3.専門分野で「処を得る」...世界で活躍する"国際派日本企業"
・「東京スカイツリーに使われた和の伝統」ヒントは神社の鳥居?...“絶対に緩まないネジ”を作れた理由
・「56万人の命を救った日本の技術」秘密は蚊取り線香?...米国TIME誌から表彰された伝統技術の正体
・「100ヶ国以上で愛されるキッコーマンの伝統と技術」なぜ日本の調味料が世界に受け入れられたのか?