14年前、ある本がダイヤモンド社から出版されました。そこには、上記の5つの問題を背負った日本が、「このまま何もしないならば、どんな未来が待ち受けているのか?」という、予言のような未来のシナリオが書かれていました。
当時は、まさか!と苦笑が出るようなシナリオでした。どのシナリオの結末も、私たち日本人が望むようなものではありません。シナリオは2050年くらいまで書かれていますが、2020年の今、そのシナリオが大方、現実に向かっているのです…
例えば、少子化はもっと深刻化しています。尖閣問題から日中対立が激化することや、ここ数年で日本が中国寄りになることなどがドンピシャで書かれているので、シナリオの信憑性が年々高くなっているのです……結末が悲惨なだけに、今読めば苦笑する気持ちにもなれないでしょう。
救いなのは、これは「日本が何もしなかった場合」のシナリオです。この本は本来、シナリオ通りにならないように具体的な処方箋が書かれた「日本改革本」でした。ところが、14年経って日本はシナリオ通りに進んでいる……ということは、日本はこの14年間、何もしてこなかった、と読んで愕然とするかもしれません。
しかし、今この処方箋の数々を読んでも、色あせていないのです。
「まだ日本は間に合う」ーーそんな思いから、この本に追記を施し、今こそ多くの方にお届けしたいと復刻しました。本書では、予言のようなシナリオと共に、過去14年の日本を振り返ることができ、この途方に暮れるような問題たちをバッサリと斬っていきます。